音を紡ぐ
「有紗、俺さ、今日のライブ見て新しい夢が出来たんだけど。」


「えっ!?何!?」


「・・・・・・・あのフェスの1番大きなステージで演奏すること。」


そう言って真っ直ぐ外にある海を見る。


「あんなに大きなステージで音を紡げたら最高だと思うんだ。」

「・・・・・うん。そうだね。私はもちろん応援するよ!」


「ありがとう。よし!俺も寝る!」


そう言って斗季が私の方に頭を置く。


いつも斗季にしてもらうように、私は斗季の頭をぽんぽんと撫でる。


私、やっと気づいた。


さっき朱里と話していた時はまだそうなのかもって確実には思えなかったけど、今ならはっきり言える。


私は斗季のことが、好き。


友達とは違う気持ちで。


斗季といると今までと違う私が見えてくる。

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