音を紡ぐ
斗季はいつも、今まで無理だって思ってきたことも出来るんじゃないかって思わせてくれる。


私のことを真っ直ぐで素直だって言ってくれるけど、斗季の方が真っ直ぐだよ。


こんな私に真っ直ぐぶつかってきてくれる。


そんな斗季を私は好きになった。


好きって気付くと、無意識に触ったりしたくなるのかな?


そんなこと思いながら斗季の頭を撫でていると、私も眠たくなってきて瞼を閉じた。


だんだんと頭が横に倒れてきて斗季の頭とぶつかりそうになる。


すると、急に肩が軽くなったのを感じる。


そして私の頭をぎゅっと斗季の肩に寄せられた。


そのまま私の頭を撫でられる。


あぁ、やっぱり落ち着く。


私は斗季の温もりを感じながら夢の中へ入った。

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