音を紡ぐ
「あっ!斗季また髪にクリップ付けたでしょ!!もうーー。」


そう言って口を膨らませる有紗が可愛くて、またイタズラしてしまう。


「ごめんごめん。取るから、ほらあっち向いて。」


そう言うと有紗はくるっと反対側を向く。


俺が有紗の髪を触ると顔を赤くして下を見る。


有紗のコロコロ変わる表情が愛しいと感じる。


「なんやー?有紗、顔赤いでー?」


樹哉が有紗の顔を見て言うと、有紗はますます赤くなってしまった。


「そんなことない!ほら、早くこの問題解いて!!」


「なぁー!!斗季君のせいで八つ当たりされたやないか!」


ペンをクルクル回しながら樹哉が叫ぶ。


「えっ!?俺のせいなの?」


「「「「うん。そう。」」」」


いつの間にか昴と朱里も混ざって俺を見てくる。


「・・・・すいませんでした。」


そう言うと有紗が笑い出して、みんなもつられて笑う。

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