音を紡ぐ
俺はこの瞬間が好きでイタズラするのかもしれない。


友達がいて、笑い合えることが何よりも嬉しいから。


そして、夏休みになってロックフェスに行った。


俺が大好きなバンドを見れたのはもちろん嬉しかったけど、有紗が自分から夢を話してくれたことが何より嬉しかった。


でも、病気のせいで夢を諦めかけていた。


俺が誰にだって壁はあるって話したら、有紗は何かに気づいたように大きくうなづいて諦めないって言った。


良かった。


少しでも有紗の力になれたかな。


それに、有紗の歌声。


あんなに引き込まれる声を初めて聞いた。


透き通る、芯のある声って言えばいいのかな?


とにかく、誰にも聞かせないのが勿体無いって思った。


・・・・・・・・・・本当はずっと歌いたかったのかも。


ずっと1人で我慢してたって感じだったな。


1番最初に歌ったのを聞いた時は。



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