音を紡ぐ
勢いよく扉を開くと有紗はびっくりしたように肩をあげた。


「何!?どうしたの?3人とも息切れてるし。」


「有紗!!俺達と一緒にライブしよ!」


俺は有紗のベッドに手をついて前のめりになって聞く。


「・・・・・・・へ?どういう、こと?」


「今、医院長先生に病院でライブ出来ないか聞いてきた!!そしたら、いいって言ってくれたんだ。だから、有紗。・・・・歌ってよ。」


そう言うと有紗は目を泳がせて、俺達に背を向けた。


「有紗?」


「・・・・・・・嬉しいけど、でも、怖い。今まで、人前で歌ったことないのにいきなりそんなの・・・・」


「でも、有紗の夢でしょ?チャンスができたんだよ!今やらなきゃ、いつ叶えるの!?このライブが有紗の夢の1歩になるかもしれないんだよ!」


そう言うと有紗は目にいっぱい涙を浮かべて俺達の方を見る。

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