カタブツ皇帝陛下は新妻への過保護がとまらない【番外編】
このたびは『カタブツ皇帝陛下は新妻への過保護がとまらない』、および番外編をお読みくださいまして誠にありがとうございます。
せっかくの限定番外編なので、ここらで少し裏話でも語ってみようかと思います。
今回の物語は19世紀中頃~後半を舞台にしております。
18世紀のロココなども好きなのですが、ドレスや軍服などの世界観も保ちつつそれなりに文明も発達しているこの時代が、ヒストリカルファンタジーを書く上では私は大好きです。
なので鉄道やら電報、シャワーなどわりと近代的なアイテムも作中には出てきます。中でもカメラの存在は「近代的すぎでは?」というお声も頂いたのですが、実は19世紀後半にはすでにフラッシュつきのカメラもあったりするのです。もちろん今のようにコンパクトではなく大がかりなモノでしたが。
案外文明が発達していたものだな~とも思うけれど、日本では19世紀後半といえば明治時代、文明開化もまっさかりの頃だと思うと違和感を覚えないから不思議ですね笑。ちなみに鹿鳴館でご婦人たちが着ていたドレスも、作中でモニカが着ていたのと同じバッスルスタイルだったとか。
続いて国についてですが。
文化などのモデルとしては、ゲオゼルはドイツを、チェルシオはロシアをイメージして書きました。
なので改稿前の原稿はドイツ語とロシア語が飛び交っておりました笑。お菓子の名称とか植物の名称とか。さすがにファンタジーなのに国を限定しすぎということでお直しになりましたが、お茶菓子をドイツ語で『テーゲベック』と呼ぶのが非常に気に入っていたので、いつか別作品で懲りずに使ったろと企んでいます笑。
ちなみにあくまで文化のモデルなので国の位置については別物です。さすがにドイツとロシアじゃ遠すぎる。ゲオゼルとチェルシオは国境が隣接している設定です。その辺はザ・ファンタジーってことで笑。
というわけで、裏話でした。
さまざまな時代や国の文化を取り入れて物語を作るのは本当に楽しいので、これからもまた色々なヒストリカル・ファンタジーを書いていきたいなと思います。
もうすぐ新作もお目見えする予定なので、そのときはまたお読み頂けたら幸いです。
それでは、改めまして『カタブツ皇帝陛下は新妻への過保護がとまらない』をお読みくださいまして、どうもありがとうございました。
リュディガーとモニカに最後までお付き合いくださった皆さまに、感謝をこめて。
2017.5.9 桃城猫緒