Balloons
PROLOGUE
風が吹いた。柔らかくて暖かい、そんな風。





「真琴!おはよ!」





「おはよー!」







今日から新学期。高校二年生。








私、葉山真琴。





特に優れたこともなく全てが普通。





顔も成績も至って平凡、性格は暗くも明るくもありません。







そんな平凡な私に、風が運んできた小さな気持ち。






掴むのか、離すのか。







膨らむのか、割れるのか。








どんなに勉強したって分からない、難題。







「あんずと同じクラスがいいなぁ!」







私は絶対、解いてみせる。




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