Balloons
01.Balloons one
「真琴!おっはよ!」
後ろから飛びついてきた身体に明るい声。
「おはよ、相変わらず明るいね」
私が苦笑いしながら言うと「あったりまえじゃーん!新学期だよ?!」と答えた。
彼女は、新山あんず。高校一年生のクラスで同じになってから意気投合して仲良くなった。
「今年こそは青春したい!!」
「青春ね〜…」
「真琴は?したくないの?」
「どうせ叶わないなら別にしなくていいかな」
捻くれてるのは分かってる。偏見がすごいのも分かってる。
だけど、恋をして叶わなかった時の気持ちを考えるとどうしても足を踏み出せない。
「勿体ないなぁ…高校生なんてこの3年間しかないんだよ?!」
「勿体ないのは分かってるけど、さ」
「真琴が青春できるように私も手伝う!」
あは!って桜をバックにして無邪気に笑うあんず。
桜の花びらがヒラヒラと舞う。手を伸ばせば掴めそうで、だけど簡単には掴めなくて。
「真琴と一緒のクラスでありますように!!」
「あんずと同じクラスでありますように!」
二人して桜の木に向かって手を合わせる。さわさわと優しい風が吹いた。
校門を通り過ぎると下駄箱にクラス分けの紙が大きく張り出されていた。
「は、やま…はやま…」
沢山の名前の中から葉山真琴という名前を見つける。
「あっ!あった!真琴、何組?!」
「B組だったよ」
「まじ!!!!おなじ!!」
やったー!ってハイタッチ。騒ぎすぎたせいか周りにいた人たちが一瞬私たちを見たけど、またすぐに視線を戻した。
「もー!まじ嬉しい!!」
「私もだよー!」
「二年生も楽しくなりそう!」
あんずと新クラスの教室に向かう。
クラス表の紙を見たけど、知らない人ばっかり。少し…っていうか、大分不安。
新しいクラスに馴染めるのかな?っていう不安がグルグルと頭の中を駆け巡る。
「あっ!寛大じゃん!隣の席だー!」
あんずが、びっくりしてる彼を指さしてえへへと笑う。
彼、中城寛大は去年も同じクラスの人気者。明るくて誰にでも分け隔てなく減っすることが出来る根っからのいい人。
「げ、新山かよ…」
「カンタくぅん?何その反応はぁ?!」
下の名前から「カンちゃん」や「カンキチ」がよく呼ばれてる愛称だけど、私は普通に「カンタ」と呼んでる。
「真琴は?誰の隣?」
「うーん、名前見たけど知らない人なんだよね…」
「イケメンだといいねー!」
「お前らな…」
寛大がおいおいと呆れた顔をする。あんずは気にもせずに話を続ける。
「何て名前?」
「早崎…湊… 」
「…は?ちょーっと待った!もっかい言って?」
あんずが眉間にシワを寄せて本当に「は?」っていう顔を見せる。
「だから、は!や!さ!き!み!な!と!」
あんずに「これでもまた言わせるか?!」と言わんばかりに大声でその名前を呼ぶ。
「早崎くんってさ…」
あんずがチラッと寛大を見る。寛大もチラッとあんずを見た。
「何よ…」
「早崎くんって…冷たい・ドS・だけどイケメン!…で有名な人じゃない?」
「え…」
イケメンだけ声がでかかったのは気にしないとして、「冷たい」「ドS」って…
「ま、まじ?」
「いや、分からんけど、私の記憶力が正しければ合ってるはず、ねぇ寛大」
「性格は話したことないから知らないけど、男の俺から見ても相当イケメンだと思うよ」
二人して顔のことばっかり。ほんとに呆れる。
それよりも、もう既に新クラス、とてつもなく不安。
後ろから飛びついてきた身体に明るい声。
「おはよ、相変わらず明るいね」
私が苦笑いしながら言うと「あったりまえじゃーん!新学期だよ?!」と答えた。
彼女は、新山あんず。高校一年生のクラスで同じになってから意気投合して仲良くなった。
「今年こそは青春したい!!」
「青春ね〜…」
「真琴は?したくないの?」
「どうせ叶わないなら別にしなくていいかな」
捻くれてるのは分かってる。偏見がすごいのも分かってる。
だけど、恋をして叶わなかった時の気持ちを考えるとどうしても足を踏み出せない。
「勿体ないなぁ…高校生なんてこの3年間しかないんだよ?!」
「勿体ないのは分かってるけど、さ」
「真琴が青春できるように私も手伝う!」
あは!って桜をバックにして無邪気に笑うあんず。
桜の花びらがヒラヒラと舞う。手を伸ばせば掴めそうで、だけど簡単には掴めなくて。
「真琴と一緒のクラスでありますように!!」
「あんずと同じクラスでありますように!」
二人して桜の木に向かって手を合わせる。さわさわと優しい風が吹いた。
校門を通り過ぎると下駄箱にクラス分けの紙が大きく張り出されていた。
「は、やま…はやま…」
沢山の名前の中から葉山真琴という名前を見つける。
「あっ!あった!真琴、何組?!」
「B組だったよ」
「まじ!!!!おなじ!!」
やったー!ってハイタッチ。騒ぎすぎたせいか周りにいた人たちが一瞬私たちを見たけど、またすぐに視線を戻した。
「もー!まじ嬉しい!!」
「私もだよー!」
「二年生も楽しくなりそう!」
あんずと新クラスの教室に向かう。
クラス表の紙を見たけど、知らない人ばっかり。少し…っていうか、大分不安。
新しいクラスに馴染めるのかな?っていう不安がグルグルと頭の中を駆け巡る。
「あっ!寛大じゃん!隣の席だー!」
あんずが、びっくりしてる彼を指さしてえへへと笑う。
彼、中城寛大は去年も同じクラスの人気者。明るくて誰にでも分け隔てなく減っすることが出来る根っからのいい人。
「げ、新山かよ…」
「カンタくぅん?何その反応はぁ?!」
下の名前から「カンちゃん」や「カンキチ」がよく呼ばれてる愛称だけど、私は普通に「カンタ」と呼んでる。
「真琴は?誰の隣?」
「うーん、名前見たけど知らない人なんだよね…」
「イケメンだといいねー!」
「お前らな…」
寛大がおいおいと呆れた顔をする。あんずは気にもせずに話を続ける。
「何て名前?」
「早崎…湊… 」
「…は?ちょーっと待った!もっかい言って?」
あんずが眉間にシワを寄せて本当に「は?」っていう顔を見せる。
「だから、は!や!さ!き!み!な!と!」
あんずに「これでもまた言わせるか?!」と言わんばかりに大声でその名前を呼ぶ。
「早崎くんってさ…」
あんずがチラッと寛大を見る。寛大もチラッとあんずを見た。
「何よ…」
「早崎くんって…冷たい・ドS・だけどイケメン!…で有名な人じゃない?」
「え…」
イケメンだけ声がでかかったのは気にしないとして、「冷たい」「ドS」って…
「ま、まじ?」
「いや、分からんけど、私の記憶力が正しければ合ってるはず、ねぇ寛大」
「性格は話したことないから知らないけど、男の俺から見ても相当イケメンだと思うよ」
二人して顔のことばっかり。ほんとに呆れる。
それよりも、もう既に新クラス、とてつもなく不安。