甘い罠
『あたし、ちょっと研究してくるー』



『うん、美香も頑張ってみるね!』




もちろん研究しに行くのはバイト先



お兄ちゃんたちからヒントもらわないとなぁ・・




それより、男子って当日何着るんだろう?


やっぱり執事って言うからにはスワローテールかな?




「どこ行くの?」


思わずその声にギクッとする


『研究しにバイトに・・・』


拓磨はふーんと言いながら紅茶を入れていた



目の前のテーブルに白いティーカップがコトっと置かれた



「どうぞ・・・遥お嬢様」


お嬢様って言われたのがしゃくだけど、これも男子たちの見本のためだもんね



『ありがとう』



飲んでみると悔しいけどおいしかった


『・・・ごちそうさま。おいしかった』


「それはよろしゅうございました」


ニコっと紳士的な笑みをみせる



なんなんだ、コイツは


『じゃ、男子。おいしーい紅茶の入れ方と接待の練習頑張ってね!』


< 131 / 221 >

この作品をシェア

pagetop