机の上の空論と遠い月
0、君と僕
そいつは気がついたらここにいた。
いてくれと頼んだつもりは微塵もない。
家が近くて母同士が仲がよくてよく一緒にいたことを覚えている。そのときは相手が何なのかすら意識していなかっただろう。
学び始めた頃、そいつと一緒に登校していた。ただ家が近いから。理由はいらなかった。
背伸びした頃、気付いたら隣にいた。いつも通りの距離。まだ理由はいらなかった。
自立した頃そいつと離れると思われた。当たり前が消えたのは、少しだけ寂しかった。だがそいつは隣にいた。曖昧な理由がいた。
毛嫌いするくらい嫌いじゃないけれど愛は芽生えない。そんなもんだと勘違いしていたのだろう。
いてくれと頼んだつもりは微塵もない。
家が近くて母同士が仲がよくてよく一緒にいたことを覚えている。そのときは相手が何なのかすら意識していなかっただろう。
学び始めた頃、そいつと一緒に登校していた。ただ家が近いから。理由はいらなかった。
背伸びした頃、気付いたら隣にいた。いつも通りの距離。まだ理由はいらなかった。
自立した頃そいつと離れると思われた。当たり前が消えたのは、少しだけ寂しかった。だがそいつは隣にいた。曖昧な理由がいた。
毛嫌いするくらい嫌いじゃないけれど愛は芽生えない。そんなもんだと勘違いしていたのだろう。