恋愛感情を貴方に教えましょう。

教えてくれた

「……ん……。」
疲れた体を起こすように、ゆっくりと起き上がった。
その瞬間に、激しい頭痛に襲われる。
「う、あぁぁ………。」
頑張って目を動かすと、ここは病院らしかった。
外は暗そうだけど、今は何時だろう。
少し体を動かすだけで訪れる激痛に悶え苦しみながら、テレビの電源を付けようとする。
(え、つかない?)
考えてみては当然だ。
今までここに入ってきたのはお見舞いに来てくれた人や看護師くらいだろう。
そんな人達がわざわざテレビカードなんて買っていてくれるはずがない。
少し行けばカード売り場までたどり着けるだろうが、今は体を少し動かすだけで死にそうになる。
頭を動かさずに、手探りで何かを探す。
何か、通信器具か、時計があったら嬉しい。
私の思いが通じたのか、棚の上には携帯電話が置かれていた。
私はすぐに親と菫にメールをした。
メールにすぐに気がついたようで、親からは『すぐ行くから待ってて』と、菫からは『よかったぁ!有坂君達もすっごく心配してたんだよ!とりあえず皆に連絡しておくね!明日お見舞い行くからね(*^▽^)ノ』と、これを見ただけで性格がわかりそうなメールが返ってきた。
私はそれを見て、1回深呼吸をした。
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