恋愛感情を貴方に教えましょう。
～～早田菫目線～～
昔から要領が悪くて、勉強も運動も上手くなかった。
この高校だって、綾が行きたいって言ったから、何時間も勉強して、やっとの思いで入った。
中学校の頃から綾の勧めでやっている剣道も、一向に上手くならず、初心者かと疑われたほどだ。
綾は剣道をかけがえのないものだと言っていたが、私にはよくわからない。
人一倍練習してもどんどん追い抜かれていく。
「はぁ…。」
そんな事を思い出して、ついため息がでる。
人一倍練習しなくてはいけないので、大野先輩がいない時でも変わらず練習をしていた。
（皆、よくダラダラしてても1本とれるよね…）
ほとんどダラダラしてやる時は1本とれるなんて本当の勝ち組なんだろうなと思った。
『早田さんはいい人だね。
そうやって努力して人生を充実させていく人間って、本当の意味の勝ち組なんじゃないかな。
ダラダラして生きてく奴よりはよっぽど勝ってるよ。』
2年生で大野先輩の親友の、木村先輩がいってくれた言葉。
私はこの言葉に救われたんだ。
だから私も、誰かを助けたい。
「キャッ！」
綾を助ける事だって、努力すればなんとかなる。
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