俺様社長と強引で甘々な結婚
ムッとした表情で野々葉ちゃんを睨むとサッと目をそらされた。


「そうだそうだ」なんて思い出したふりをしてさっきコンビニで買った雑誌を取り出す野々葉ちゃん。


私は見ないの一点張りだったのに私が見たいんですと買っていた。


今、一番見たくないものなのに。


「お待たせいたしました。赤ワインのボトルとカプレーゼです」


ごそごそと雑誌を袋から取り出し、開く野々葉ちゃんとその横で楽しそうにしている関ちゃんを横目にワインを注いでカプレーゼを食べることにした。


「へえ、社長って一途なんですね。彼女のためにって」

「てか、彼女いたんだね。私はてっきり」

「な、何?食べないの?二人が食べないなら私が一人で全部食べちゃうし、お酒、飲むから」


二人がじっと私を見たけれど、私はそう言って運ばれてくる料理を食べ、赤ワインを流し込んだ。

「うまーい。やっぱりここのシーフードピザは美味しいよね。みんな食べなきゃ私、一人で食べちゃうよー」


「ちょっと!理央さん、シーフードピザの具だけ食べないでよ」


彼女がいるだけでも辛い事実なのに、私たちが毎日、汗水垂らして働いている職場が彼女へのプレゼントなんて知りたくもなかったよ。


忘れよう、見なかったことにしよう。飲むぞ!
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