俺様社長と強引で甘々な結婚
男の人、一人で住むにはかなり広い部屋。洗面台も鏡が大きくてとても見やすい。


ここに彼女も頻繁に来てるのかな。


「それにしても、パーカー一枚って結構ヤバイ格好」

鏡に映る自分の姿は、我ながら結構恥ずかしい格好。

それなのに、そんな女を横にしても手を出すこともないなんてよっぽど彼女が好きなんだ。

悲しい気持ちでパーカーを脱いでお風呂場に入った。蛇口を捻り、頭からお湯をかぶる。


二日連続で二日酔い。学習能力が無さすぎる。
でも、全部社長が悪い。社長のせいだ。


それでもゆっくり寝たからか、体はそこまで悲鳴をあげてはいなかった。体は。


シャワーを浴びたあと、服は野々葉ちゃんが洗って、乾燥機までかけてくれていたので昨日と同じ服を着た。


本当なら洗濯方法とか乾燥機はダメとかアパレルなら気づくだろうと若干のツッコミを入れたいけれど、さすがに人様の好意。


そこはありがたく感謝だけに留めておこう。

そして、カバンから化粧ポーチを出し、ファンデーションと口紅だけ塗って、バスルームを出ると、買い物から社長が帰ってきていた。


「飯、買ってきた。お前、空腹で車乗ったら酔うだろ?酔い止めもあるから飲んでおけよ。俺も着替えてくるから、ちゃんと食ってろ」


そう言って、社長は寝室へと向かった。そういえば、あんなラフな姿の社長初めて見た。


そして、浮かんだのはそれを見てるかもしれない彼女の存在。彼女に誤解されたくないんじゃないの?わけわかんない。


そんなことを思って、ただそこに突っ立っていたら、着替えを済ませた社長がため息をつきながら、寝室から出てきた。


「まだ食ってなかったのかよ。さっさと食えよ。いつまでも出かけられないだろ」


呆れたような口調で言う社長。でも、私は急いでバッグを手に取り、玄関に向かった。


「私、帰ります。こんなとこ彼女さんに見られたら」

「まさか、お前昨日からおかしいのって」
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