俺様社長と強引で甘々な結婚
「じゃあな。どんなことでもすぐに連絡してこいよ。何時でもいい。待ってるから」


家まで送ってもらい、お礼を言った後も社長は、私の手を握って言ってくれた。そして、車が角を曲がるところまで見送ったあと、私は、ため息を一つ零し、家に入ることにした。



「叔母さん、今、家に帰ったんだけど、何があったの?まさかお父さんやお母さんに何か?」


家に入り、震える手で叔母に電話をかける。
数コールの後、「はい」と聞こえてきた声は、私の言葉を聞いた後、大きな笑い声に変わった。


「姉さんも義兄さんも元気よー!そんな話じゃないの。大事な話っていうのは、あんたの名前でうちの会員登録したから結婚しなさいっていうこと」


そんな話じゃない。叔母の大きな笑い声は、私の心を抉るようだった。


ここまで帰ってくるのに私がどんな気持ちだったと思ってるの。


そんなどうでもいい話のために私は急いで帰ってきたなんて。


怒りで左手で、力強く拳を作った。叔母はそんな私の怒りなんて気づくはずもなく、返事もしない私にどんどんと話を続ける。
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