俺様社長と強引で甘々な結婚
「ありがとう理央!さすが私の姪っ子だよ。そうと決まれば、早々に仕事は辞めてこっちに戻ってくること。再来週には相手との顔合わせだからね!」


「仕事を辞めるって、私まだ何もそこまで」


「今更、やっぱり無理なんて言うんじゃないよ。もし、そんなこと言ったら、あんたの親の店の中傷してやる!わかってるだろ?私は目的のためなら何でもするって」


あまりにも理不尽な脅し。
でも、このおばさんはやると言ったら絶対にやる。

それくらい、自分の言う事を利かせるために手段は選ばない。


昔、叔母の勧めでピアノ教室に通ったけれど、合わずすぐにやめたいと泣くと、やめるなら大切にしている私の人形を捨てると言った叔母。


さすがにそこまでしないと思った私の期待は、外れ、結局どうしても通いきれず辞めた私の人形をゴミに捨てるような人。


実の姉を苦しめることも厭わない。


うちの両親は地元で小さな中華料理店を営んでいる。小さな頃からお店は、常連のお客さんで大賑わいだった。


でも、ありもしない中傷被害にあえば、もうお店をやっていくのも難しいに決まってる。


お母さんとお父さんのお店を守るため。
自分にそう言い聞かせ、私は叔母さんに仕事を辞めて、結婚するからと電話を切った。
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