俺様社長と強引で甘々な結婚
ソファに座り手招きしながら私を呼ぶ春馬さん。
キッチンに立つのは私よりも春馬さんのほうが多い。

私よりも春馬さんのほうが料理上手だからということもあるけれど、「俺は日中仕事をしてないから』という春馬さん的理論からでもある。

そう思うなら仕事をすればいいのに、相変わらずうちの社長は特別なこと以外仕事をしない。

といううちのキッチン事情のため、せめて洗い物は私がやると言い切った。


で今日も美味しい春馬さんが作ってくれた夜ご飯を食べた後、洗い物を終えたところにいとこからの連絡があった。

「ちょっと待って。先に返事しておきますね。嬉しいなアキちゃんに会うの久しぶり」


私の待ったにちょっと拗ねた表情を浮かべる春馬さん。


でも先に返事したい。急いでアキちゃんに返事を返し、まだふくっれつらの春馬さんに駆け寄った。

「お待たせしました」

「待たせすぎな。大体、俺よりいとこを優先させるとか許せねーな。はい、お仕置き決定」

「キャー」

これも最初こそ恥ずかしくて抵抗ばかりしていたことだったけれど、今では待っている自分もいたりする。


元々そんなに経験もなかったし、好きなことでもなかったけれど、本当に好きな人に愛されている実感を一番に感じさせてもらえることだと思ったら、次第にそれも好きなことになった。


「今日は制服着てみるか?あっ、もちろん紺ハイな」

「バカ」

そんなやりとりを交わしつつ、今夜も甘い濃厚な夜を過ごした。
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