俺様社長と強引で甘々な結婚
そんな社長との出会いを思い出しつつ、戸締りを済ませて駐車場で待つ社長のところに向かうと車に凭れてタバコを吸っていた。


くそー。絵になるしかっこいい。思わず隠し撮りしたいくらい。でもさすがにそれはできるはずもない。


慌てたふりを装って、出しかけた携帯はしまい、小走りで社長の元に向かった。


「おせーよ。先に行こうかと思った」


「一人焼肉なんて逆ナンされちゃいますよ。変な女からは私が守ってあげますからねー。ってことで今日は食べ放題じゃないとこでお願いしまーす」


「お前に守ってもらわなくても自分のことくらい対処する。まっ、お前のことは俺が守ってやるけどな」


「は?」


「バーカ。腹減ったから行くぞ」



何、今の。意地悪な笑みを浮かべて、そんなこと好きな人に言われたら、食欲どころじゃなくなってくる。でも意識しているなんて気付かれたくない。


とりあえず乗せてもらった車の中で、私は自分でも何を言ってるかわからないくだらない話題を出して会話を続けることに必死になっていた。
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