俺様社長と強引で甘々な結婚
「ったくお前、マジであいつ帰ったら覚えてろよ。あと、仕事のことは忘れろ。お前が行ってもどうにもならねえ。でも俺なら大丈夫だ。あと、あんまりあいつに近づきすぎんなよ」


「アキちゃんはいとこです。そんな心配いらないですから」


「まあ、お前はそうでも向こうはどうかな。とにかく今日は楽しんでこい。バタバタでゆっくりする時間もなかったしな」


「ありがとうございます」


「新婚旅行もどこ行きたいか、考えとけよ」


アキちゃんの電話が終わったみたいで、春馬さんはスーッと私を離した。
ぬくもりがなくなって少し寂しいけれど、充電できたから良かったかな。



「じゃあ行ってくる。理央のことよろしくお願いします。行ってくるな、理央」


そう言ってひらひらと手を振るアキちゃんの前で、私の頬にキスを落とす春馬さん。


恥ずかしくなって思わず頬を覆ったけれど、してやったりの春馬さんとは対照的にパッとアキちゃんを見ると、私でもわかるくらい眉間にしわをよせて嫌悪感に満ち溢れた表情を浮かべていた。

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