俺様社長と強引で甘々な結婚
「なあ、りいちゃん。さっきからずっと携帯ばかり気にしてるけど、そんなに気になるん?」


観光といっても気持ちがそんな風にはならなくて、せっかく来てくれたアキちゃんには悪いけれど、近くのカフェでご飯を食べることにした。

ここはまだ一度も春馬さんと来たことはない。
やっぱり春馬さんと行った場所には他の人とは行きたくないし、変なところで誤解を招きたくないから。


「ご、ごめん。仕事のことが気になって」


運ばれてきたオムライスを食べながら不思議そうに問い掛けてくるアキちゃんにそう言った。
春馬さんのことも気になるけれど、仕事で何があったかもとても気になる。


関ちゃんや野々葉ちゃんにも連絡してみたけれど、既読にもなっていない。
それくらい何か大変なことが起きているのに、自分はここにいるなんて。


「仕事ねえ。そんなに仕事なんてしたいもんなん?そんなにあの社長さんはりいちゃんに満足な暮らしをさせてあげられてへんの?まあちょっと偉そうな態度やし、りぃちゃん、嫌な思いとかさせられてへん?」


「それはない。絶対にないよ」


アキちゃんは、私を心配して言ってくれているのだろうけれど、春馬さんを悪く言われるのは本当に嫌だ。
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