俺様社長と強引で甘々な結婚
「あれは、本当、思い出しても恥ずかしくて穴があったら入りたいです」


「いや、本当マジであれほど可愛い発言はなかなか聞けねえよ。まあ仮に虫歯を移されても構わねえけどな」


結局、歯医者に行って、虫歯じゃなかったから良かったけれど、この三日間、何かにつけて春馬さんはそれを持ち出してくる。


それに今度は、私がムッとすると、「悪い悪い」と笑いながら機嫌をとってくるのが日課。今日もそんな感じで私を抱きしめて耳元で囁く。


「デート、どこ行きたいか考えとけよ」


どこに行こう。やっぱり定番の遊園地や水族館かな。映画とかもいいな。


ショッピングも楽しそう。


「今は考えなくていい。こっちに集中しろ」


クルッと向きを変えられて、重ねられた唇。最初はカチンコチンで硬く目をつぶって、されるがままだった私も今では少しは返せるようになったかな。


「じゃ、いただきます。あれ?ルーズソックスは?」


「ほんと、ばか」


クスクスと笑い、私をお姫様抱っこで抱えて春馬さんは寝室へと向かった。


こんな風に私の新婚生活は、甘々に過ごしている。ただ、まだ不安は目の当たりにすればモヤモヤと目を出すのだけれど。


そして、その不安は幸せの中に乗り込んできた。
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