俺様社長と強引で甘々な結婚
「どうだ?着替えたら出てこい」


外から春馬さんの急かす声がして、恐る恐る試着室のカーテンを開いた。こんなドレスアップしたワンピース姿、自分でもあまり見慣れなくて、少し緊張してしまう。


「ど、どうですか?」


「やっぱり俺、すごいな。お前に似合う服、一発で見つけた。すげーよく似合ってる。それにパールのネックレスと前にやったイヤリングで決まりな。あとは靴か。すみません、これ、着て帰ります」


えっ?!と慌てる私などお構い無しに、春馬さんは店員さんを呼び、この服を即決。
更にはこの服に合う靴やバッグも揃えてほしいと店員さんに頼んだ。


「奥様、とても素敵な旦那様に愛されていて幸せですね」


店員さんがこそっと私に呟いた言葉が、とても胸に響いた。そうか。私、奥様なんだよね。奥様という響きが嬉しくてくすぐったいような気持ちになった。




「じゃあ、俺も用意してくるから最後の仕上げな。すみません、よろしくお願いします」


上から下までドレスアップした私を最後の仕上げだと春馬さんが連れてきたのは同じ百貨店の中の美容院。春馬さんは私をここに連れてくるとまた迎えに来るからと席を外した。
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