俺様社長と強引で甘々な結婚
「あの、と、とりあえずワンピースに合う大人っぽい髪型にしてください。童顔なので」


「かしこまりました」


童顔は生まれつきだから仕方ない。でも、春馬さんの隣を歩いても見劣りしないくらい、大人っぽくなりたいと思う。


美容師さんが雑誌をめくり、「こんな感じはどうですか？」と提案してくれた髪型はこの服装にも合いそうで、「それでお願いします」と返事をした。


魔法使いに魔法をかけられて、自分の姿に驚くシンデレラ。私は今、まさにその状態。


コンプレックスの童顔は髪を巻いてハーフアップにしてもらった髪型とメイクで魔法をかけられたように大人っぽく仕上げてもらえた。


「とてもよくお似合いです。王子様がお待ちですよ」


椅子をクルッと回されるとさっきまでのラフな姿とは違い、スーツ姿に身を包んだ春馬さんが目を丸くして、驚いていた。


「俺の妻は世界で一番可愛いな」


美容師さんもクスクスと笑うセリフを自分でも無意識に呟いたと春馬さんは少し照れている。

その言葉が私の涙腺にふれて、「せっかくのメイクが」と美容師さんが慌てて直してくれた。
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