俺様社長と強引で甘々な結婚
後ろから覗き込む私に、意地でも顔を背ける春馬さん。私ばかりが余裕もないし、好きな気持ちが強いかなと思っていたからこんな新鮮な彼を見れて嬉しかった。


「で、なんでいきなり宮崎に電話なんかしてたんだよ?」


しばらく私が「見せて」と覗き込んでいたけれど、ちょっと時間が経つといつもの春馬さんに逆戻り。


「今からは俺のターンな」とヒョイと私は抱きかかえられ、そのまま私を膝に乗せたまま春馬さんは、ソファに座った。


重いから下ろしてくださいと訴えるも、俺のターンだから俺の好きにさせろと言われ、そのままの状態で話すことになったけれどやっぱり恥ずかしい。


体をもじってみたけれどあんまり意味もなかった。しかも聞かれたことに答えろと言われ、真っ赤になった自分を見られたくなくて、下を向いて答えた。


「ごめんなさい。私、付き合った人のご両親に会うの初めてで不安だったんです。だからお姉ちゃんにアドバイスをもらおうとしたら・・・」


「したら?」


「いざとなったら春馬さんが守ってくれるからって」


「いざとなったらな。顔、上げろ。心配すんなよ、二人とも結婚に反対もしてねえし、お前に会えるの楽しみにしてるって。特に母親はな。ただ、お前会ったらビックリするかもしれねえけど」


その時はまだ、ビックリの意味がわからなかったけれど、ご両親に会ってその意味を理解した。ビックリも何も驚きで声が出なかったから。
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