スーパーアイドル拾いました!
 海斗はテーブルに座ると、肉どんぶりを見つめた。「

「ごめんね…… こんな物で……」

 海斗は首を横に振ると、どんぶりを持ち、一気に食べだした。

 柚奈と真はたべるのも忘れ、海斗の食欲に見入ってしまった。
 海斗は、野菜のお浸し、味噌汁まであっという間に食べきった。


「ああ…… 旨かった……」


「お、お茶どうぞ」

 柚奈は、呆気にとられ、呆然と湯呑を指し出した。


 明るい所で見ると、確かに海斗だ…… 少

 し疲れているように見えるが、そこら辺では見かけない、綺麗な顔だ……


 差し出したお茶を受け取り、飲む仕草でさえサマになっている。


「お風呂入ったら?」


「ああ…… いいのか?」


「ここまで連れてきちゃったんだから、仕方ないでしょ。真の服で良かったら着替えて。この子、真っていうの」

 柚奈は真に目をやって言った。


「ありがとう。真君……」


「いや…… いいよ……」


「本当にありがとう…… でも、連絡だけは……」


 海斗は縋るように柚奈を見た。


「分かったわ。大丈夫よ」

 柚奈は笑顔を見せた。

 海斗は安心したような表情をして、風呂へと向かって行った。

 あの顔を見たら、連絡など出来ないし、何処へ連絡するべきなのかも分からない。



「ねえ真…… 今夜の海斗のドラマ録画しておいてよ」


「そうだよなぁ…… 本人の前で見るのもちょっとな……」

 真の言葉に、柚奈は空気が読めるようになったんだと息子の成長に、呑気に感心していた。


「真、明日学校で絶対に誰にも言っちゃダメだからね…… 寧々ちゃんにもダメだからね!」


「分かっているよ! だいだい、なんで寧々なんだよ!」


 真は、怒ってソファーに座るとテレビのリモコンを荒らしく操作し始めた。


 柚奈は、また余計な事を言ってしまったと思ったが、真の姿にニヤリと笑みを見せた。
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