スーパーアイドル拾いました!
 真がお風呂から出る頃には、焼き肉の準備は整っていて、真の目が輝く。

「すげ――っ」

「じゃあ、乾杯しよう!」


 ビールの旨さと、肉の焼ける匂いに興奮する。

 真も部活終わりで、肉とご飯を交互に口に運ぶ速さは半端ない。

 海斗も美味しそうに頬張っている。


 柚奈は何処にでもある、家族の光景の様な気がしたが、海斗がスーパーアイドルと言う事はよくある事では無いのだからと思い直した。


大分お腹が満たされて来ると、真が思い出したようにテレビのリモコンに手を伸ばした。

 毎週見ている、バラエティー番組が流れだした。

 柚奈は、芸人のやり取りに思わず声を出して笑ってしまった。

 真もつられて笑い。

 そのうち、柚奈と真は涙を流しながら笑った。


「そんなに面白い?」

 海斗が不思議そうに聞いてきた。


「面白いよ。笑うと、何でも上手く行くような気がするんだよね」

 柚奈は海斗に向かって笑顔を見せた。


「ふーん」

 海斗はしばらくすると、ふっと笑みを見せた。


 だが、海斗の視線はテレビでなく、笑い転げる柚奈と真を見ていた。
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