スーパーアイドル拾いました!
 週末から真は遠征で居ない。

 柚奈も職場の飲み会が入っていた。


「ねえ、海斗…… 金曜日、真は遠征だし、私、職場の飲み会入っているから、自由にやってね」


「えっ。職場の飲み会って、あの所長も行くのか?」

 海斗が怪訝な顔で言った。


「まあね…… 同じ職場だから……」


「ふうん。じゃあ、俺、柚奈さん迎えに行くわ!」


「えっ?」

 柚奈は驚いて海斗の顔を見た。


「何時に終わるの? 場所は?」


「えっと…… 駅前の居酒屋…… 一次会は九時には終わるかな?」


「じゃあ、一次会で帰ってきて」


「どうしてよ?」


「俺が、さみしいから……」

 柚奈は冗談だと思ってぷっと吹きだした。


「真だってそんな事、言わないわよ」


「悪かったな」

 海斗はふて腐れて、ベランダへと出て行った。


 柚奈は、海斗の出て行った後ろ姿に、週末は海斗と二人きりになるのだと意識してしまったが……

 でも、あのスーパーアイドルが、こんな田舎のおばさんに興味がある訳がないし……


 気にする事は無いと思い、忘れる事にした。
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