スーパーアイドル拾いました!
 真は、その男の後ろに近づいた。

「桐嶋海斗を探しているんですよね?」

 その男は驚いた顔で、真を見上げた。


「君は?」


「高校生です」

 その男は大きくため息を着くと、じっと真の目を見た。


「私は、桐嶋海斗のマネージャーの山中といいます。海斗の居場所を知っているなら、頼みます…… 海斗に合わせて下さい」

 山中は疲れ果てた表情だが、誠実にきちんと真に接して来た。


「一つ、お伺いしもいいですか?」


「はい」


「海斗に合ってどうするおつもりですか?」

「無事でいいてくれるなら、それだけでいい……」

「海斗は、あなたにとって、どういう存在なんですか?」

 山中は苦しそうに、唇を噛みしめた。


「かけがえのない宝です。なくてはならない大切な人です。そんな事にも、今まで気付かずにいた……」

 山中は悔いているように下を向いた。


「わかりました…… 海斗を物として考えているのなら合わせるつもりは無いけど、あなたは海斗を人と言ってくれました…… 焦っているのは分かりますが、明日まで待って頂けないでしょうか?」


「明日、必ず合わせてもらえますか?」


「はい。明日、この時間にここで…… あの、一つ条件があるんですが……」


「どういった条件で?」


「明日、海斗の前でお話します」


「わかりました」


 真はスマホを出し、山中に連絡先を教えた。


「もし、君が明日ここへ来なかったら?」

 山中は真の様子を伺っていた。


「信号の先に見える高校の三年A組、元木真。逃げようがありません」


「そうだな……」

 山中は少しほっとした笑顔を見せた。

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