スーパーアイドル拾いました!
 車を走らせながら柚奈の頭の中は、家計の数字が並んでいた。

 取りあえず、今もらった物で、二、三日は大丈夫だろう…… 

 定期解約するしかないか?


『うーん。何処かにお金落ちてないかな?』

 そんな、わずかな望みに期待をかけ、キョロキョロしてみた。


 当然そんな運の良い出来事は無いのだが……


 うん? 


 何あれ?



 柚奈の住むアパートの手前にある、公園の入口で何かがキラリと光った。

 リュックのファスナーが公園の蛍光灯の光りで反射していたのだ。
 お金が入っているかはともかく、落とし物なら届けた方がいいかと、車を停めリュックのある場所へと歩いて近づいた。


 しかし……

 落ちていたのはリュックだけで無く、人間らしきものが横たわっていた……


 死んでいるのか?


 柚奈はゾクッと青ざめた。

 
 柚奈は、恐る恐る横たわる人に声をかけた。



「あの…… 生きています? もしもーし……」


 よく見てみると、男の人のようだ……


 柚奈は、そっと肩を叩くが返事がない……



「救急車呼びますね!」


 柚奈はポケットからスマホを出した。


 すると、その男は突然、スマホを手にした柚奈の腕を掴んだ。

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