スーパーアイドル拾いました!

「母さん、どうすればいい?」


「とにかく、私のベットへ寝かせて」


 柚奈は自分の寝室のドアを開けた。

 真は、ベッドの上に海斗を寝かすと、大きく息を着いた。



「なあ、母さん…… これ、桐嶋海斗じゃあねぇの?」


「やっぱり、そう思う? 朝見たばっかりだから、間違いないと思うけどね……」


「大丈夫なのかよ? 家になんか入れて?  警察とかに連絡した方が……」


 その言葉に海斗が目を開けた。


「ごめん…… 連絡しないで……」


 海斗はそう言うと、そのまま目を閉じてしまった。


「どうするんだよ?」

 真は不安そうだ……


「うん。熱もあるみたいだし、少し様子みようよ」


「母さんが言うなら……」

 真は渋々肯いた。


 取りあえず頭を冷やして、水分を取らせなければとキッチンへ向かった。


 その様子を片目に、真は買い物袋に入っていた菓子パンを食べ始めていた。


 柚奈は水枕と、買い置きしてあったスポーツドリンクを手に、海斗の寝る部屋へと戻った。


 柚奈は、海斗の頭の下に水枕を置き、額に手を当てる。
 やはり、少し熱がある。絞ったタオルで海斗の顔を拭くと、テレビで観るより落ちつた顔が気持ちよさそうに目を開けた。


 柚奈は思わず、ドキっと胸が鳴った。仕方ない、スーパーアイドルなのだから……


「ありがとう……」


「少し水分取ったほうがいいわ」

 柚奈は海斗を抱き起こし、ペットボトルのスポーツドリンクの蓋を開けた。


 海斗は、ペットボトルを手にすると一気に飲み干し、又ベッドへと横たわってしまった。


< 8 / 47 >

この作品をシェア

pagetop