スーパーアイドル拾いました!
「母さん、どうすればいい?」
「とにかく、私のベットへ寝かせて」
柚奈は自分の寝室のドアを開けた。
真は、ベッドの上に海斗を寝かすと、大きく息を着いた。
「なあ、母さん…… これ、桐嶋海斗じゃあねぇの?」
「やっぱり、そう思う? 朝見たばっかりだから、間違いないと思うけどね……」
「大丈夫なのかよ? 家になんか入れて? 警察とかに連絡した方が……」
その言葉に海斗が目を開けた。
「ごめん…… 連絡しないで……」
海斗はそう言うと、そのまま目を閉じてしまった。
「どうするんだよ?」
真は不安そうだ……
「うん。熱もあるみたいだし、少し様子みようよ」
「母さんが言うなら……」
真は渋々肯いた。
取りあえず頭を冷やして、水分を取らせなければとキッチンへ向かった。
その様子を片目に、真は買い物袋に入っていた菓子パンを食べ始めていた。
柚奈は水枕と、買い置きしてあったスポーツドリンクを手に、海斗の寝る部屋へと戻った。
柚奈は、海斗の頭の下に水枕を置き、額に手を当てる。
やはり、少し熱がある。絞ったタオルで海斗の顔を拭くと、テレビで観るより落ちつた顔が気持ちよさそうに目を開けた。
柚奈は思わず、ドキっと胸が鳴った。仕方ない、スーパーアイドルなのだから……
「ありがとう……」
「少し水分取ったほうがいいわ」
柚奈は海斗を抱き起こし、ペットボトルのスポーツドリンクの蓋を開けた。
海斗は、ペットボトルを手にすると一気に飲み干し、又ベッドへと横たわってしまった。