スーパーアイドル拾いました!
「晩飯なに?」柚奈がキッチンへ入ると真が、待ちきれないと言う様子で言った。
 しかし、もうすでに三つ目の菓子パンを食べていた。


「肉どんぶりにしょうと思うけど、あんた、幾つ菓子パン食べるのよ?」


「こんなに沢山どうしたんだよ?」


「所長が買い過ぎたからって分けてくれたのよ」


「お―。さすが所長! 今度はチョコのやつがいいって言ってよ」


「ばか! そんな事言える訳ないでしょう!」
 柚奈は真を睨んだ。


「そうなの? じゃあ、先風呂行ってくるわ」


 真の百八十五センチの大きな体が風呂へと向かった。
 バレー部のエース。
 部活もハードなのであろう。
 食べなければ体ももたないのだと思う。 
 しかし、正直、家計には痛い! 
 でも、柚奈は真の成長が嬉しくてたまらないのだ。

 柚奈にとって、掛け替えのない宝なのだから……


 取りあえず、海斗の分の夕食も作ってみた。


 真が風呂から上がり、テーブルへ座る。
 柚奈もビールを冷蔵庫から出しテーブルに座った。
 ビールと言っても第三のビールの特売品だ。


「ねえ、真。あんたのハーフパンとTシャツ貸してよ。新しいパンツもあったよね? 海斗とあんた体格かわらないから大丈夫でしょ」


「仕方ねえなぁ…… でもさぁ。朝,確かに生放送で見たよな? 東京からどうしてこんな田舎に来ちまったんだろう?」


「本当にね? 迷子かな?」
 柚奈も首を傾げた。


「あのさぁ、あいつ腹減ってんじゃねぇの?」


「うん。呼んでみようか?」

 柚奈は席を立つと、海斗の寝る寝室へと向かった。


『トントン』

 自分の部屋をノックするのは妙に変な気分だ……


「ねえ、ご飯食べられる?」


 海斗は起き上がると、小さく肯いた。
 少し休んだせいか? 公園で拾った時よりは顔色がいい気がする。


「じゃあ、向こうの部屋まで行けそう?」

 海斗は黙って肯いた。
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