危険なアイツと同居生活【番外編】
そして……
「ごめんねぇ。
俺、プライベートだから」
蒼が蒼口調で話すと、驚く女子たち。
こんな場面を嫌というほど見てきた。
クールでSっぽい碧とは違い、蒼は甘くて優しいから。
だから、その違いにみんな驚いてしまうのだ。
そしてそれが、蒼を苦しめていた。
だけど……
「応援してくれて、ありがとうね。
Fのこと、忘れないでね」
そんなことを言う蒼に、泣けてきた。
蒼の背負ってきたものの大きさに。
蒼の覚悟に。
そして、もう碧には会えないかもしれないという寂しさに。
「こうやって持て囃されるのも、きっとあと少し。
Fは忘れ去られていくんだよ」
そんな蒼の言葉に、何も言い返せなかった。