危険なアイツと同居生活【番外編】
それにしても、フルマラソンは過酷だ。
無理のない速度で走るが、どんどん体が疲れてくる。
そして、歩きたい誘惑に駆られる。
走っても走っても優弥は見えさえせず、心が折れてしまいそうだ。
一緒に走っていた慎吾は、早々に見えなくなった。
俺の後ろにいるのだ。
……ということは、俺と優弥の一騎打ちか。
なんとか勝たなくては!
なんてプレッシャーが押し寄せる。
ハルもいつの間にかいなくなっていて。
一体ハルは完走できるのだろうか、なんて考えている余裕もなくて。
酸欠に陥りそうな頭と、乳酸が溜まっていく体を必死に動かした。