危険なアイツと同居生活【番外編】
「また、旅行でも行く?
あたしも考えておくね」
そんな話をしながら、スーパーへ向かう。
冷たい風が吹き、あたしたちは身を縮めた。
「寒いねぇ、唯ちゃん」
「うん。すっごく寒い」
この冬一番の寒波が近付いている今、東京は荒れ模様だ。
夜のうちに雪が降るとの予報もある。
あたしたちは身を寄せ合い、寒いと笑い合い、スーパーに入る。
こんな普通の時間がすごく幸せだ。
「今日はお鍋にしようか。
あったかいの、一緒に食べようね」
あたしの言葉に蒼は嬉しそうに頷く。
「お肉いっぱい入れたいなぁ。
あっ、でも野菜も食べなきゃね」
来年も、蒼とこんな日々が過ごせるのかな。
再来年も、その次も……
そして、いつか結婚出来るかな。
そんなことばかり考えていた。