危険なアイツと同居生活【番外編】
歩く間にも、雪は激しさを増してくる。
少しずつ、東京の街が白く染まっていく。
そして、雪に光が反射して、辺りがぼんやり明るくなった。
「蒼の故郷、素敵なところだよね」
「うん!
でも、Fのイメージに合わないから、出身地は言っちゃいけないことになってるけど」
蒼はそう言って空を見上げた。
「雪が積もったらボードに行かないと。
でも、その前に唯ちゃんと雪だるま作ろうかなぁ」
あたしはなんだって楽しみだよ。
蒼と一緒なら。
歩いている間にも、雪はみるみる積っていって。
うっすら歩道が白くなるほどだ。
明日の朝は、起きたら真っ白かな。
東京にこんなに雪が降るなんて、何年ぶりだろう。
そんな幻想的で綺麗で、そして何でもない日を蒼と過ごせるのがすごく嬉しい。