危険なアイツと同居生活【番外編】
「蒼……浮気したの?」
そう聞くと、
「するわけないじゃん」
困った顔で言う。
こんな蒼、嘘はついていないとあたしには分かる。
きっと、人違いだ。
誰かが碧に成りすまして、悪質なことをしているんだ!
蒼は気にしないって言うけど、あたしは黙っておけない。
碧はそんなこと、しないんだから!
「その碧、どこにいたの?」
勇気を振り絞って女子高生に聞く。
彼女たちは一瞬驚いてあたしを見たが……
「向こうの時計台のほうにいました」
親切にも教えてくれる。
「目立つから、すぐ分かると思うけど……」
それが合図だった。
あたしは蒼のコートを掴み、時計台へと急いでいた。