危険なアイツと同居生活【番外編】
周りから悲鳴が上がった。
近くにいた女子なんて、泣いて座り込んでしまう。
人々に囲まれて……
蒼はFの『白夜』を歌う。
慣れた手つきでギターを弾きながら。
久しぶりに聴くその声が、胸をがくがく揺さぶった。
初めてその曲を聴いた時のような衝撃を感じた。
涙が溢れて……
手の隙間から、涙がぽろぽろと溢れた。
やっぱりすごい。
彼はホンモノだ。
懐かしくて、愛しいその歌声。
あたしはずっと待っていたんだ。
また、この歌を聴くことが出来る日を。