危険なアイツと同居生活【番外編】
「あー……やっちゃった……」
帰り道、蒼は意気消沈して言った。
「絶対やらないと思っていたのに」
蒼の言いたいことは分かる。
音楽から遠ざかっていたのに、ギターを弾いて歌ってしまったからだ。
そして、蒼はやっぱり大注目を浴びてしまって、二人でなんとか逃げ帰ってきた。
蒼にこんなことをさせたのも、あたしのせい。
あたしが偽碧に苛ついてしまったから……
「ごめんね」
蒼に謝ると、
「唯ちゃんは悪くないって!」
蒼はやっぱり笑顔で答えてくれる。