危険なアイツと同居生活【番外編】
あたしは渋々チョコレートケーキを冷蔵庫から出した。
蒼にバレないように頑張って焼いたチョコレートケーキだ。
「美味しそう!
唯ちゃん、料理の腕がめきめき上がるね!」
その蒼の笑顔を見るだけで、努力が報われたと思ってしまう。
ごちそうさまと言いたいのはあたしだ。
「蒼、このケーキは、今日の夕食後に……」
ケーキを持ち上げ、冷蔵庫に片付けようとしたあたし。
そんなあたしは足を滑らせ……
その、何時間も頑張って作った渾身のチョコレートケーキは宙を舞い……
なんと、あたしと蒼の身に降りかかる。
冷たくて柔らかい衝撃があたしを襲い……
「あぁ……」
目の前の光景に言葉を失った。