危険なアイツと同居生活【番外編】
「あの変な色のはハルね」
気持ち悪い赤っぽい魚を指差す蒼。
思わず笑ってしまう。
「それに……あのカミツキガメは優弥だぁ」
優弥さんの名前を聞いて、どきっとした。
久しぶりだ、蒼の口からその名前を聞くのは。
「懐かしいなぁ。
俺、いつも優弥に噛みつかれてたよね。
大学にまで上がり込んでくるとか、頭おかしいよねぇ」
その言葉に胸が痛む。
蒼はどんな気持ちで優弥さんの話をしているんだろう。
もしかして……
「優弥って本当に凄いよね」
蒼はカミツキガメを見ながら笑顔で言う。
「もし俺たちが活動再開したら、また優弥に追われるのかな?
……楽しみだなぁ」
その言葉を聞いて、なんだかホッとした。
あたしも楽しみにしてる。
いつかまた、Fの四人に会える日を。