危険なアイツと同居生活【番外編】





「あの変な色のはハルね」




気持ち悪い赤っぽい魚を指差す蒼。

思わず笑ってしまう。




「それに……あのカミツキガメは優弥だぁ」





優弥さんの名前を聞いて、どきっとした。

久しぶりだ、蒼の口からその名前を聞くのは。





「懐かしいなぁ。

俺、いつも優弥に噛みつかれてたよね。

大学にまで上がり込んでくるとか、頭おかしいよねぇ」




その言葉に胸が痛む。

蒼はどんな気持ちで優弥さんの話をしているんだろう。

もしかして……






「優弥って本当に凄いよね」




蒼はカミツキガメを見ながら笑顔で言う。




「もし俺たちが活動再開したら、また優弥に追われるのかな?

……楽しみだなぁ」





その言葉を聞いて、なんだかホッとした。




あたしも楽しみにしてる。

いつかまた、Fの四人に会える日を。



< 27 / 169 >

この作品をシェア

pagetop