危険なアイツと同居生活【番外編】
「なんだか怖いな」
思わず口に出してしまう。
「あたし、すごくすごく幸せだから。
この幸せがいつか壊れてしまうんじゃないかって」
蒼とあたしは三年間付き合っているが、このままずっと一緒に居られる保証はない。
人間だから、出会いもあれば別れもある。
蒼と別れたら……なんて考えるだけで、涙が溢れてくる。
「大丈夫だよ、唯ちゃん」
蒼はあたしに静かに告げる。
「俺は唯ちゃんを離さないから。
唯ちゃんよりいい人なんていないよ」
手を絡ませる。
右手の薬指に付けた、お揃いのシルバーリングがあたしに触れる。
蒼はFの活動をする時、この指輪を外していた。
それが少し寂しかった。
これが左手の薬指に嵌められる指輪になるのかな。
それとも……