危険なアイツと同居生活【番外編】
そんなわけで、あたしたちはコンサートスタッフのバイトをすることになった。
芽衣とハルと、蒼とあたしで。
コンサートスタッフのバイトなんて初めてだ。
「蒼は慣れてるんだよね?」
そう聞くと、
「全然慣れてないよ。
何するのかも分からないよぉ」
なんて言う。
そっか、蒼は裏方の仕事まで理解しているはずもないよね。
自分たちのパフォーマンスのことで、精一杯に決まってる。
「だけど、楽しみだなぁ」
蒼はにこにこして言う。
「バイトだよ、バイト!
やっと大学生らしいことが出来るんだよ」
蒼が嬉しいと、あたしも嬉しい。
どうかこの初バイトが、蒼にとって有意義なものになりますように。
……なんて、余裕なこと、言っていられなかった。
コンサートスタッフのバイトは、あたしの想像を遥かに超えていたのだ。