危険なアイツと同居生活【番外編】
三人はそれぞれ用事があると帰っていった。
今まで同じ道を辿ってきた四人が、別の道を歩き始めた証拠だ。
三人が去った部屋は、やたら静かで寂しかった。
そんな中、蒼がしみじみと言う。
「今年の誕生日は、唯ちゃんとゆっくりだね」
蒼の言葉に頷く。
「こんな誕生日もいいなぁ」
「あたしも、蒼と一緒にいられて嬉しい」
あたしの言葉に、蒼は嬉しそうに目を細める。
あたしの大好きな蒼の笑顔だ。
そして……
こんな時に出し惜しみしてしまう。
毎年、蒼はファンからたくさんの誕生日プレゼントをもらっているから。
そして、Fのメンバーからも、それぞれ個性的なプレゼントをもらっているから。
あたしのプレゼントを見て、失望されるかな。
別のものを期待していたかな、なんて考えるとすごく怖くて。
こんなあたしの気持ちなんて、四年目になれば分かってしまう蒼。