危険なアイツと同居生活【番外編】
「俺もさ、昔はカラオケ普通に行ってたよ。
歌は下手じゃなかったし、楽しかったし。
でも、Fでデビューしたら、みんな酷いんだ」
「酷い?」
「うん。カラオケで、歌って歌って攻撃が酷い。
本気でFの曲歌っても、白けるに決まってるのに」
白けるはずないよ。
みんな、きっと感動して泣いてしまう。
あたしもきっと泣いてしまう。
「カラオケはさぁ、自慢するところじゃなくて、楽しむところだと思うんだ」
そんな言葉が蒼らしいと思った。
確かに蒼たちとカラオケに行った時も、蒼歌ってオーラがすごかった。
蒼はそういうのにも疲れていたんだね。
「ま、そんなところだけど……
実際俺が歌っても高得点出ないし」
「えっ?そうなの?」
「うん。多分、カラオケテクニック的には上手くないんだよ。
カラオケは全部むで歌うといい点が取れるんだ」