危険なアイツと同居生活【番外編】
蒼と手を繋いで街を歩く。
もはや、蒼が碧だと気付く人はいなくて、二人で堂々としていられる。
「ケーキがいいかなぁ。
パフェがいいかなぁ」
蒼は上機嫌だ。
「うーん……
でも、一番甘いのは唯ちゃんだね」
蒼の言葉に、胸がどきんと甘く熱く疼く。
蒼はなんだか熱っぽい瞳であたしを見て……
そんな目で見られると、身動きすら出来なくなってしまって。
蒼の手をぎゅっと握って身を寄せた。
蒼は一瞬身を強張らせ、そしてあたしの手を握る力を強める。
そして、甘くて心地よい声であたしに告げた。
「やっぱり、ケーキもパフェもやめた」
「え?」
「これから家に帰って、唯ちゃんを食べちゃうよ」
その言葉を聞くだけで、身体が焦げそうに熱くなる。
蒼を求めてしまう。
あたしはこうやって、今日も蒼に狂わされる。