危険なアイツと同居生活【番外編】
焼けるような夏も過ぎ、いつの間にか風が涼しい季節になってきた。
時間は飛ぶように過ぎていき……
「唯ちゃん。
三月にはとうとう卒業だね」
しみじみと蒼が言う。
長くて短かった四年間。
蒼と過ごした四年間。
その四年間が、とうとう終わりを迎えようとしていた。
「びっくりしたな、初めて蒼に会った日」
その日のことが、昨日のように鮮明に思い浮かぶ。
「あたしはFに熱中で、家の中に蒼がいて、あたしの目が狂ったかと思った」
面白そうに笑う蒼。
「蒼はかっこいいし、なんていったって碧だから、あたしなんかに本気にならないってずっと悩んでいた」