帝都の剣
しばらく歩くとそこは大きな街であった。

ここが函館・・・ではなく駅がある街だ。この時代、既に蒸気機関車は有り、帝都から大阪や山口、東北の方まで機関車は走っていた。

さて、この街で機関車に乗り青森まで行くつもりなのだが・・・発車時刻が夕方6時だとぉ?今から五時間後も後じゃないか。

しょうがない・・・せっかくだからこの街の美味しい料理でも食べて行こうとするか・・・と思ったところだが、どうも駅の周りにキナ臭い連中が彷徨いている。

いかにも紳士的なおじさんと従者二人がいるのだが、それ以外にもこの街にはいる気配がする。

よく見ると紳士のおじさんは駅員と話している。そして従者は機関車に何かを運んでいる。正直ここからじゃよく見えない。

そして、あの機関車は恐らくあたしが夕方に乗る奴だ。もしかしたら、この国に対してクーデターを起こす輩かも知れない。

この大日本帝国は日露戦争での戦勝で国は大いに沸いたが、それを良しとしない輩がこの国には沢山いる。

日本の強さを世界に示した事に浮き足立っている・・・そんな国を元の謙虚な国に戻す為の組織はあると聞いている。

そしてその組織は一つだけでは無い。この国は闇がとてつもなく深いのだ。

しょうがない・・・こうなれば、時間まで遊んで機関車に乗って奴らの悪事を確かめて見るか。

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