帝都の剣
音のする方向は後ろの車両からであった。

すると後方車両から数人の足音が聞こえる。恐らく、これはこの汽車を乗っ取るつもりだ。このまま一番前の車両に行き、車掌さんを脅すつもりだろう。

「おい、お前はじっとしておけよ。他の乗客にも静かにしておくように言っておいてくれ。恐らく、この汽車を乗っ取るつもりだ」

「あ、アンタはどこ行くのん?」

「あたしは車掌のところまで行く!車掌を殺されたらこの汽車を操縦出来るのは頼りないお前だけだからなっ!じゃあ、静かにしておくんだぞ」

あたしはそう言って車掌のところまで走って行く。

多分だけど、これは帝都転覆を狙うテロリストか・・・そのテロリストに手を貸す武器商人の仕業だ。

この汽車の中で一番のターゲットは恐らく車掌だ。車掌を脅して、この汽車を乗っ取り、日本の鉄道会社にダメージを与えるつもりだろう。

そういう考えをしている輩は沢山いる。今や鉄道は日本には無くてはならない物だからな。それを乗っ取れば帝都のお偉いさんも大慌てだ。

だが、そんな事はあたしがさせない。あたしは帝都を守る・・・いや、この大日本帝国を守る剣だから・・・!
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