【企&短】だから、ボクを愛してよ。
「......ボク1人でこの部屋の掃除させる気?」
でたでた!!
ワンコみたいに瞳をウルウルさせるやつ!!!
鳴海くんのこの、可愛さを全面に押し出してくるやつ。
しかもタイミングも使い方もバッチリ。
「あーもう。分かったよ。一緒にやるよ」
どうやら私はこのウルウル大作戦に弱いらしい。
「じゃあ、北山さんは机やって。ボクは棚やるから」
「えっ、逆の方が良いんじゃ......」
だって、鳴海くんより私の方が背が高いわけで。
高い所の掃除を私がやった方がいいに決まってる。
「はぁ?北山さん片付けとか下手そうだし。こんな重たい物とか落とされたら迷惑なんだけど。黙って机の上片付けてよね」
そう指さされた机の上にはプリントやら、文房具やらが散らばっている。
片付け下手そうと言われたのは腑に落ちないが...
一応、私のこと女の子扱い方してくれてるのかな...??
「......ありがとう」
「べ、別に。怪我とかされたら困るだけだし...」
ちょっぴり甘酸っぱい優しさに、私の胸はまたも締め付けられる。