【企&短】だから、ボクを愛してよ。


「......ボク1人でこの部屋の掃除させる気?」



でたでた!!

ワンコみたいに瞳をウルウルさせるやつ!!!



鳴海くんのこの、可愛さを全面に押し出してくるやつ。

しかもタイミングも使い方もバッチリ。



「あーもう。分かったよ。一緒にやるよ」



どうやら私はこのウルウル大作戦に弱いらしい。



「じゃあ、北山さんは机やって。ボクは棚やるから」



「えっ、逆の方が良いんじゃ......」



だって、鳴海くんより私の方が背が高いわけで。

高い所の掃除を私がやった方がいいに決まってる。



「はぁ?北山さん片付けとか下手そうだし。こんな重たい物とか落とされたら迷惑なんだけど。黙って机の上片付けてよね」



そう指さされた机の上にはプリントやら、文房具やらが散らばっている。



片付け下手そうと言われたのは腑に落ちないが...

一応、私のこと女の子扱い方してくれてるのかな...??



「......ありがとう」



「べ、別に。怪我とかされたら困るだけだし...」



ちょっぴり甘酸っぱい優しさに、私の胸はまたも締め付けられる。

< 15 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop