【企&短】だから、ボクを愛してよ。
突然名前も知らない女子から呼び出されたのだ。
警戒心もなく、素直に校舎裏へ行けば...数人の女子。
おまけに私のことを睨んでいる。
「ねぇ、最近調子に乗り過ぎじゃない?」
「な、何のことですか」
その中の1人が私に歩み寄ってきた。
派手な見た目に、鋭い目つき。
怖くて私は後ずさりしてしまう。
「鳴海くん。あんたの物じゃないんだけど」
そう言われて私はこの人達が鳴海くんのファンということに気が付いたのだ。
「......わ、私の物だなんて、思ってない」
必死に反論するが、みんなの目つきが怖くて物怖じしてしまう。
「ねぇ、何様のつもり?マジウザイんだけど」
「私は...!!」
そんなつもりない!と言おうとした時。
乾いた音が校舎裏に響いた──
その瞬間左の頬がじんじんと痛み出した。
「ねぇ、なにしてるの?」
その時、聞きなれた声がした。
声のした方を見れば、そこには鳴海くんの姿が。
「......鳴海くん......」
鳴海くんの姿を見て、女子達の顔は一気に青ざめた。